様々な準備が必要な風俗店開業
風俗店開業を考える際、単に資金を投じて場所を確保すればすぐにでも開業できると思っている方もいるでしょう。
しかし、それだけでは困難が待ち受けています。
適切な手続きや関連する法律の把握、場所の選定など、計画的な準備が必要になるのが現実です。
いざという時、あたふたしないようこの記事を読んで、事前の知識と店舗経営の滑り出しに役立つ知識を蓄えておきましょう!
風俗店の開業と風営法
風俗業界に携わる方や、これから開業したいと考えている方であれば、「風営法」という単語は聞いたことがあるでしょう。
もちろん、風俗店の開業において必ず把握しておかなければならない法律であることは明らかです。
また、風俗店の開業において業種の選択を考える必要があるかと思われるかもしれませんが、2023年現在において、風営法の関係からその選択の余地はほとんどなく、「デリバリーヘルス店」の開業、つまり「無店舗型」風俗店の開業をすることになります。
以下が、風営法における該当部分になります。
【風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律】
●店舗型性風俗特殊営業の規制(店舗型性風俗特殊営業の禁止区域等)
第二十八条
店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(官公庁施設の建設等に関する法律(昭和二十六年法律第百八十一号)第二条第四項に規定するものをいう。)、学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定するものをいう。)、図書館(図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定するものをいう。)若しくは児童福祉施設(児童福祉法第七条第一項に規定するものをいう。)又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定めるものの敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲二百メートルの区域内においては、これを営んではならない。
※「e-Gov 法令検索」より引用
簡単に要約すれば、「学校・図書館・児童施設の周囲200メートル以内は店舗型風俗の営業禁止区域となり、新規出店が出来ない。」ということです。
この営業条件は想像以上に縛りが強く、条件を満たす営業可能な土地はあまりありません。
よって、「無店舗型風俗店」しか実質的に開業が許されないというわけです。
どうしてもソープなどの「店舗型」風俗店の経営をしたい!という方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
そのような場合は、まず既存の店舗の正社員スタッフとして働いた後、店長やマネージャーという役職に出世をしていき、店舗経営のポジションに就くという方法が現実的です。
法律上必要な「届出」について
先ほど、ご紹介した「風営法」において定められていることがもう一つあります。
「開業届出書」とその他必要な書類を、各都道府県の公安委員会に提出することです。
このいわゆる「届出」をしないまま営業を始めてしまった場合、懲役などの罰則を受ける可能性が非常に高いです。
この「届出」は警察から厳しいチェックが入ることがほとんどですので、「書類の書き方がわからない」「必要な書類の種類がわからない」といった不安をお持ちの方は、行政書士に代行を依頼することも視野に入れた方が確実でしょう。
無店舗型風俗店の開業に必要な書類
・無店舗型性風俗特殊営業の営業開始届出書
・営業の方法を記載した書類
・事務所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書/賃貸契約書の写し/建物に係る登記事項証明書など)
・住民票(本籍地記載)の写し
・定款・法人登記事項証明書及び役員全員の住民票の写し(※法人の場合のみ)
・事務所の平面図
・待機所の平面図
・待機所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書/賃貸契約書の写し/建物に係る登記事項証明書など)
・受付所の平面図、周囲の略図
上記の書類を提出できたら、10日後から営業が可能になります。
待機所の「使用承諾書」などは、法務省で発行した書類に、場所(待機所)の建物の所有者から印鑑を貰わなければならないため、準備に時間を要します。
スムーズに開業をするためにも、予め段取り良く準備を進めておきましょう。
開業に必要な資金はどれくらい?
「無店舗型風俗店は、開業資金が少なくても可能」と言われることがしばしばあります。
確かに「無店舗型」であれば、実店舗がいらず、店舗スタッフの人件費もあまりかからないため、店舗型のコストと比較して始めやすいと言えるでしょう。
規模にこだわらなければ200万円~300万円、500万円程もあれば東京都内でまずまずの規模の店舗を開業できると言われていました。
しかし、昨今はその開業のしやすさから無店舗風俗店の店舗数が爆発的に増えており、安定して軌道に乗せるためには1,000万円以上の資金は必要であると見直されてきています。
数多存在する競合店から、頭一つ出るためにはそれなりの「広告宣伝費」が必要ですし、自店舗が認知され軌道に乗るまでの「維持費用」も現在では多く見積もって置いた方が良いでしょう。
さらに、風俗業種の開業に際しては銀行からお金を借りることができません。自分の名義で資金繰りをする必要がある点は心に留めておきましょう。
無店舗型風俗店の開業に必要な経費一覧
● 開業までに必要な経費
・HP(ホームページ)制作費
・物件契約費(事務所&待機所)
・送迎用車両購入費
・雑費(備品などの購入)
● 開業後に必要な経費
・営業広告費用(ランニング/月)
・求人広告費用(ランニング/月)
・家賃(事務所&待機所)
・水道、光熱費
・人件費
経営者ともなれば、その費用に関しても甘い見積は許されません。
自店舗の将来的な展望を踏まえて、何処にどれだけの費用をかけるのかを決断できるようにしましょう。
人材(キャスト&スタッフ)の確保とその方法
無店舗型風俗店では自分とキャストさんが1人いればお店を開くことは可能です。
しかし、それでは売上は伸びませんし、経営も成り立たないことは想像に難くありません。
風俗業界に限る事ではありませんが、「人材確保」は一朝一夕では成り立たない重要な問題です。良いと思って雇っても、実際働いて見たらミスマッチだったということも多くあります。
それでは、現状多くの風俗店舗はどのように人材を確保しているのでしょうか?
知人のツテで紹介してもらう
「風俗業界で働く」という事はまだ、世間的にはネガティブなイメージを持たれることが多い業界です。そこで一番手っ取り早いのは、既に業界経験済みの方を知人ヅテに紹介してもらうという方法です。
しかし、この方法は業界に知人がいるという場合が前提であり、他力本願な方法になってしまいます。知人の紹介された手前、自分やお店の方針と合わない応募者でも採用せざるを得ないという本末転倒な結果にもなりかねません。
急を要する場合は有効ですが、そうでない場合はより慎重な方法を模索すべきです。
自店舗メディア(SNSやブログ)で求人情報を発信する
昨今、お店の情報をSNSやブログ等を通じて発信していくことは珍しくありません。求人情報も例外ではなく、募集要項や、お店のウリ、待遇を発信することで、応募者を獲得できる可能性があります。
ただし、DM(ダイレクトメッセージ)なども用いて直接的な勧誘を行う行為、「スカウト」行為は行わないようにしましょう。
「スカウト」行為に関しては、各都道府県の「迷惑防止条例」において規制されており、特に『風俗』『キャバクラ』『AV』については、公共の場での不特定者へのスカウト全てが禁止されています。これはSNS上でのDMを用いた勧誘も該当し、実際に逮捕者が出たケースもあるため、予め理解しておきましょう。
【ツイッター25アカウントで風俗勤務を勧誘か スカウト容疑の男】
風俗店で働くようSNS上でスカウトしたとして、警視庁は、不動産仲介会社役員の男(37)を職業安定法違反(有害業務の紹介)の疑いで逮捕し、17日発表した。25個のツイッターアカウントを使いこなし、昨年だけで50人の女性を風俗店につないでいたという。容疑を認め、「ツイッターなら警察に捕まらないと思った」と供述しているという。
※「朝日新聞デジタル」より引用
求人媒体に広告を出す
● 店舗スタッフ求人の方法
人材募集をする上で、定番とされる方法が「求人媒体」を利用することです。求人媒体は、世の中に多くありますが、「風俗業界」に特化した求人媒体も存在します。
しかしながら、一般的な求人媒体でサービスとして行われている「求職者」と「企業」繋ぐ『エージェントサービス』を提供できる、風俗業界特化の求人媒体はありませんでした。
業界初の風俗業界特化のエージェントサービス。
それが『キャリロケ』です!
『キャリロケ』は風俗業界・社交飲食業界・レジャー産業向けにハイクラス求人に特化した人材紹介サービスを展開しています。
部長クラス以上の管理職・経営層・エグゼクティブを中心に、世にあまり出回らない求人情報を多数とりあつかっているため、風俗業界でキャリアアップを目指すヤル気のあふれる求職者を効率的に確保することが可能です。
即戦力の確保で悩んでいる方や店舗拡大を目指す経営者にはオススメの求人サービスです。
● キャスト求人の方法
キャストなくして風俗店が成り立たないということは、言うまでもないでしょう。
そして、キャストの質の高さが貴方の経営する店舗のクオリティに直結します。キャスト集めは風俗店の経営において生命線であり、売上のカナメです。
よりこだわった求人募集をするのであれば、求人媒体に求人情報を掲載することが効率的でしょう。
貴方の店舗の強み(コンセプト)に合わせた求人を掲載することで、ミスマッチな採用を事前に防ぎイメージするキャストに出会いやすいメリットがあります。
さらに、掲載プランによってはサイト内にバナーを置くことが可能で、店舗認知が向上することによって応募数をより多く獲得するといった戦略も考えられます。
これらの媒体を利用し、効率的かつ計画的に人材確保を進めて行きましょう。
成功する店舗経営のカギとは?
これまで、開業について説明をしてきましたが、ある程度の資本金と法律で定められたことさえやれば開業は誰にでも可能であると言えます。
『開業して店舗を軌道に乗せること』
これこそ簡単なことではなく、経営者としての資質が試される部分になります。
風俗業界も他業種と同じように様々な移り変わりがあり、どのように自店舗を対応させていくのか?
そのコツを3つのポイントにまとめました。
Web集客に力を入れる
無店舗型風俗店のメインの集客ツールはWebサイトになります。店舗が存在しない分、その存在を知る方法はWebからとなってしまうことが想像できます。
まず考えるべきは、HP(ホームページ)の充実さです。
サイトデザインによるユーザビリティの考慮はもちろんですが、お客様がどのようなキーワードで検索をし、自サイトに流入をしてくるかを考慮したコンテンツ制作など、競合店舗と差を付けられる部分は多くあります。
そのためにも、競合店舗のHPにおける動きなどを日々チェックすることも欠かせないでしょう。良い部分は取り入れ、劣っている部分は改善を検討する必要があります。
従業員(スタッフ&キャスト)の徹底管理
徹底管理といえど、「恐怖政治を敷く」という意味ではありません。店舗スタッフやキャストにとって働きやすい空間を作り上げることも経営者である貴方の仕事になります。
そのためにも、常に従業員とフラットなコミュニケーションがとれるような態度で接し、働く中で感じる不安や些細なことをいつでもくみ取れるようにしておきましょう。
唯一無二のサービスを提供できるようにする
「質の高い優良店」とは、聞こえの良いフレーズですよね。ですが、漠然と「質の高い優良店」を目指しても何の意味もありません。
重要なのはお客様とって何が「質」として捉えられているのかを正確に把握することです。
お客様は当店に何を求めにくるのか?何をメリットとしてリピートしてくれたのか?それこそ貴方の店舗の「唯一無二のサービス」の手がかりとなります。
他の追随を許さない、独自のサービスを展開してお客様の囲い込みを考えましょう。
まとめ
いかがでしたか?
風俗店の開業に必要なことから、開業後の店舗経営のポイントまでを解説しました。
風俗店の経営は想像以上に”マネジメント能力”が問われます。お客様や従業員に気をかけつつも、利益が最大限上がるよう売上の分析や企画を行って行く必要があります。
お店を今後大きくしていきたいと考えるのであれば、頼れる右腕のような存在が必要になる時が訪れるでしょう。
その時は是非ハイクラス転職エージェント『キャリロケ』にご相談ください!
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